もち256ログ
About Note Log
Log
published: 2022-01-29
『決算書の比較図鑑』矢部謙介

どうも、もち256です。
最近読んだ本の紹介になります。

今回は「矢部謙介」著、『決算書の比較図鑑』を紹介します。


どんな本か

blog_image

例えば、あなたは何らかの理由で企業について調べるとします。
そういった場合、調べる対象がニュースや新聞であるのが大半であると思います。
しかし、大衆向けの企業の情報では、「〇〇が□□を買収」や「〇〇が△△を開始」など、定性的なものが主になっています。

本書冒頭でも「企業の本当の姿を知るには、決算書のような定量的な面を見ることが重要」という旨と、企業の決算書を読むことに慣れるためには、大量の企業の決算書を読むことが重要であることが本書で述べられています。

しかしながら、「決算書を読むことが面白い」と思えない限り、多くの人は決算書を読むことが苦痛になってしまうのではないでしょうか。

本書は、上記の「大量の決算書を読むこと」と「決算書を読むことが面白いと思えること」の解決のため、「企業同士の決算書を図解し、比較してみる」というアプローチを行っています。

本書では「任天堂と第一三共とトヨタ自動車」といった、消費者に馴染みのある企業同士や、エンドユーザーではあまり接することのない「キーエンスと信越化学工業と日本電産」など、様々な企業の決算書の状況が図解され、比較を行っています。

ほかにもAmazonやGoogle、Facebookなど、有名な企業の決算書が取り上げられているため、本書を読む際には「身近な企業では、こんな構造(会計)だったんだ」など、興味を持ったうえで「決算書を読む」ということができると思います。


本書の構成は以下の通りです。

  1. 決算書をざっくり読み解く方法
  2. 小売・流通業の決算書
  3. 外食・サービス・金融業の決算書
  4. 製造業の決算書
  5. GAFAと競合企業の決算書

良かったところ

本書の1章「決算書をざっくり読み解く方法」では、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書という、いわゆる財務三表についての説明がされています。

この章で「どの決算書にはどんな意味があるのか」や「それぞれの決算書を構成している用語の意味」など、決算書を理解するうえで基礎的な知識がを身につけることができます。

また、この章の末尾に、本書で使用されている図の作成方法が記載されているため、「あの企業の決算はどんな感じなんだろう」と思った際など、自分の興味のある企業の図を作ることができる点が勉強になったと思いました。


他には、決算書を比較することで、各企業がどのようなビジネスモデルなのか、BtoBなのかBtoCなのか、製品は自社製造なのか、仕入れなのか、などが述べられています。

本書で述べられている例を上げると、ユニクロで有名な「ファーストリテイリング」と「しまむら」の損益計算書が比較されています。

ファーストリテイリングは生産から販売までに関与するのに対し、しまむらは卸売業者から商品を仕入れて販売するビジネスモデルであると説明されています。
しかし、後者の場合は卸売業者に対して支払うマージンが発生するため、原価率が高くなる傾向にあるという旨が述べられています。

こういった部分から、例えばアパレルや外食など、「〇〇専門」の企業といえど、やり方は色々あるのだということも学べました。


本書は各企業の決算書の状況を図解し、会計の状況を見ることで、どんなビジネスモデルになっているのか、どんな仕組みなのかを理解できる、良い書籍でした。

図解することで、通常の決算書より数字が細かくなっておらず、大まかな数字で企業を理解できるため、初学者に優しい内容になっていると思いました。

今回は以上となります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

Category: #読書

ログ一覧へ戻る